プロ声楽家がオススメするオペラ歌手〜テノール編①〜
船橋市の総合音楽教室、スカイワードミュージックスクールでヴォーカル・幼児音楽コースの主任講師を担当させて頂いている、声楽家の新村まどかです。
音楽をする上で、インプットとアウトプットをすることはとても重要です。特に、良い音楽家の演奏を聴くというのは今後の自分の演奏の向上にすぐに役立つので是非頻繁に良い演奏に触れて欲しいと思っています。
レッスンの際にも模範となる歌手をお伝えしているのですが、もっと詳しく歌手について説明やお勧めをしたいと常日頃思っておりました。
そこで、今回から何回かに分けて、私がお勧めする声楽家をご紹介します。
今回はテノール編をお届けしますが、歌のテクニックは全声種共通ですので、特に生徒の皆様は全て聴いて頂けたらと思います。
マリオ・デル・モナコ(1915〜1982)
イタリアのガエータ出身。20世期最高のテノールと名高い、「黄金のトランペット」と称される輝かしい歌声を持った伝説的なテノール歌手。ひとつの隙もない強靭でドラマチックかつダイナミックな歌声は、来日公演では日本人に凄まじい衝撃を与えたと言われている。
参考動画:オペラ「道化師」より、「衣装をつけろ」
妻ネッダが浮気をし自分を裏切っていた事をしった旅回りの道化一座のカニオが、こんな時でも道化の仕事は客を笑わせることだ、衣装をつけて白粉を塗って笑え、とやり切れない感情を吐露するアリア。
ジュゼッペ・ディ・ステファノ(1921〜2008)
イタリアのシチリア島出身。明るく甘い声を持ち、声で演技をする事に非常に長けたテノール歌手。オペラのみならずカンツォーネでも超一流で、曲に対する構成力がずば抜けて素晴らしい。マリア・カラスと共に数々のオペラ公演や録音、コンサートを行った。
参考動画:オペラ「リゴレット」より、「女心の歌」
女好きで身勝手なマントヴァ公爵が、女は風に舞う羽根のように気まぐれなものだと歌うアリア。劇中で二度歌われるこの軽快なアリアは、悲劇であるこのオペラをより際立たせる役目となっている。
ニコライ・ゲッタ(1925〜2017)
スウェーデンのストックホルム出身。柔らかく洗練された叙情的な歌声で広範なレパートリーを持つ。確かな発声テクニックとブレスコントロールを伴う歌唱からも彼の類稀な頭脳明晰さが伺える。母国語が何かを感じさせない程、様々な言語を完璧に発音することが出来る歌手。
参考動画:オペラ「ファウスト」より、「この清らかな住まい」
村の若く美しい娘マルグリートの生活の様子を、悪魔に魂を売り渡して若返った老学者ファウストが歌うアリア。
いかがでしたでしょうか。第二弾の記事も公開しました!