プロ声楽家がオススメするオペラ歌手〜テノール編②〜
船橋市の総合音楽教室、スカイワードミュージックスクールでヴォーカル・幼児音楽コースの主任講師を担当させて頂いている、声楽家の新村まどかです。
前回に続き、今回もオススメのテノール編になります。オペラの中で輝かしいヒーロー役といえばやはりテノール。CDを買う時や動画を見る時などぜひ参考にしてみてください。
フランコ・コレッリ(1921〜2003)
イタリアのアンコーナ出身。張りとボリューム感溢れる美しい声と容姿端麗さを兼ね備えた歌手。守りに入ることの無いスリリングな高音の出し方は、まさに黄金期の歌唱法の代表格である。
参考動画:オペラ「トスカ」より、「星は光りぬ」
ローマの歌姫トスカと、その恋人カヴァラドッシの悲恋の物語。
第三幕で、まもなく銃殺されるカヴァラドッシが歌う、数あるアリアの中でも特に有名なアリア。
カルロ・ベルゴンツィ(1924〜2014)
イタリアのポレージネ・パルメンセ出身。
安定したテクニックと自己管理で、21世紀になっても演奏を続けることが出来た艶のある甘い声を持つ歌手。youtubeに上がっている彼のマスタークラスの動画はとても参考になるので、声楽を勉強している方には是非お勧めしたい。
参考動画:オペラ「蝶々夫人」より、二重唱「魅惑に満ちた瞳の可愛い娘よ」
日本の長崎を舞台にした、アメリカ人男性に振り回された日本人女性の悲劇の物語。ミュージカル「ミス・サイゴン」はこのオペラを元に作られた。
第一幕で、蝶々夫人にとっては本物、アメリカ海軍士官ピンカートンにとってはお遊びの結婚式の後に歌われるとてもロマンチックで壮大な二重唱。
プラシド・ドミンゴ(1941〜)
スペインのマドリード出身。パヴァロッティ、カレーラスと共に三大テノールとして有名な、現役では他の歌手とは明らかに一線を画すレジェンド級の大歌手。現在はバリトンに声種変更し、歌手のみならず指揮者としても活躍。ビロードのような滑らかなレガートとパッションを併せ持ち、特に中音域の圧倒的な充実において他の追随を許さない。
参考動画:オペラ「ラ・ボエーム」より「冷たい手よ」
パリを舞台にした、詩人ロドルフォとお針子娘のミミの悲しい恋物語。ミュージカル「レント」はこのオペラを基とし、舞台をパリからニューヨークに変えたものである。
第一幕、ミミとロドルフォの出会いの場で、ミミが落とした鍵を暗闇の中で2人で探しているうちに、手と手が触れ合う場面で歌われるアリア。
二回に渡ってお送りしましたテノール編はいかがでしたでしょうか。まだまだお勧めしたいテノール歌手は沢山いますが、次回からはバリトン編に移っていきたいと思います。
生徒の皆様は、ぜひレッスンの際に動画の感想など聴かせていただければ嬉しいです!
では、また次回をお楽しみに。