プロ声楽家がオススメするオペラ歌手〜バス編〜
船橋市の総合音楽教室、スカイワードミュージックスクールでヴォーカル・幼児音楽コースの主任講師を担当する、声楽家の新村まどかです。
前回まで何回かにわたってオススメ男声オペラ歌手のご紹介をお届けしてきましたが、男声歌手編の最後を飾るのはバス歌手のご紹介です。
一番の低声部を担当するバスは、王様や大審問官など年配の役を歌うこともあれば、喜劇が得意な「バッソ・ブッフォ」と呼ばれる歌手は従者などの役柄を歌うこともあります。
チェーザレ・シエピ
1923年2月10日にイタリアのミラノに生まれる。
美しい声をフルに響かせながらも、重さを感じさせない歌唱テクニックにエレガントで舞台映えする容姿を併せ持つ20世紀を代表するバス歌手。
(参考動画:オペラ「ドン・カルロ」より「ひとり寂しく眠ろう」)
16世紀のスペイン宮廷を舞台にしたオペラ「ドン・カルロ」の劇中で、決して自分の事を愛したことが無い妻への嘆きを歌う王のアリア
ニコライ・ギャウロフ
1929年9月13日にブルガリアで生まれる。
迫力のある豊かな低声、知的な歌唱で幅広いレパートリーを持ち、戦後最大のバス歌手と呼ばれる。
(参考動画:オペラ「清教徒」より「ほどけた美しい髪を花で飾り」)
正気を失った主人公エルヴィラの様子を、叔父ジョルジョが皆に伝えるアリア
フェルッチョ・フルラネット
1949年5月16日にイタリアのサチーレに生まれたフルラネットは、風格ある舞台姿とオペラ黄金期を引き継ぐ歌唱テクニックを持つ現役のバス歌手の中で間違いなく最高のレベルを持つ歌手である。
(参考動画:オペラ「ドン・ジョヴァンニ」より「カタログの歌」)
女たらしの貴族ドン・ジョヴァンニの従者レポレッロが、主人の女性遍歴を歌う有名なアリア
次回からは女声オペラ歌手もご紹介していきます。どうぞお楽しみに!