楽器を弾くと体が痛くなる?それは弾き方が間違っています

スカイワードミュージックスクールをオープンしてからすぐに入会されたTさんという方がいる。
50代の男性でうちに来る前は、大手音楽教室で4年間ピアノをグループレッスンで習っていたらしい。

初めて体験レッスンで来られた時の印象は「全く音が聞こえていない」という状態だった。
体は固まっていて、弾くことに100%向かっているという印象だった。

体験レッスン後に聞いたところ、
「ピアノを弾くと腕が痛い」「首が痛い」「凄く疲れる」
と話されていた。

私はTさんに、
「それは異常事態です、故障しますよ」
と伝えた。

当の本人はピアノは弾くと疲れて痛いものだと思って一生懸命練習していたらしい。
そこからピアノ専任講師である朋子先生との気の長い実に根気のいるレッスンが始まった。

一度、力を入れて弾くものだと認識して弾いてしまうと、これを取り除くのは至難である。
本人は力を抜いている気でも「ピアノを弾く」という事の条件反射で無意識に力が入ってしまう。
これがやっかいな問題なのだ。

Tさんがレッスンを受け始めて約1年後、音質が変わってきた。
明らかに軽い音がいくつか出始めた。
明るい表情で「最近はピアノを弾いても痛くないんですよ!」と言っていた。

これは凄い!と思った。

そこから1年後、遂にその時が来た。
Tさんは言った「今日は私の弾いた音が自分で聞こえました!」

やりきったTさんもすごいが、朋子先生!よくやった!心から思った。
Tさんの音楽はこれから自由を得て人生の糧となるという確信を持った一日だった。

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