音楽教室を選ぶ時に意識すべき5つのチェックポイント

チェロ奏者 笹森壮大さんの著書「一生ものの音楽教育」という本を読みました。

笹森さんは花まる学習会で「音楽を通じて人を幸せにできる人」を育てることを目指して音楽教育部門を立ち上げた方です。

笹森さんの目指すものが、私たちスカイワードミュージックスクール『「音楽を通じて豊かな人生を送る」ことをサポートする』という理念と重なっている部分が多いこともあってか「うんうんそうだよね」と頷いてしまう部分が数多くありました。

この本の中で音楽教室を選ぶポイントとして、以下の5点が挙げられています。

(1)学習観を大切にしているか
(2)先生は演奏してくれているか
(3)先生に憧れを持てるか
(4)提案型の指導を受けられるかどうか
(5)お母さんを支えてくれているか

どれも納得できる内容だったのですが、これを私たちなりに咀嚼し「子どもの音楽教室や先生を選ぶポイント」を改めて考えてみました。

それはズバリ以下の5つです!

(1)”音楽の楽しさ”を最優先に考えているか
(2)”基本に忠実”か
(3)先生は”現役の演奏家”か
(4)生徒が”自分の頭で考える”ように導いてくれるか
(5)”家庭での練習”までサポートしてくれるか

それぞれ順番に解説していきましょう。

(1)”音楽の楽しさ”を最優先に考えているか

笹森さんの著書においても繰り返し述べられていましたが、幼少期の音楽教育においては「音楽の楽しさ」を感じることが一番大切です。音楽を楽しさを知っていることが、(4)でも述べる「表現したい(弾きたい/歌いたい)」という音楽において最も大切な”自発性”につながるからです。

子どもたちに”音楽の楽しさ”を感じてもらうため、当スクールでは日々のレッスンカリキュラムの様々な工夫はもちろんのこと、(5)で述べるような家庭環境づくりもも重視しています。

(2)”基本に忠実”か

子どもが音楽を学ぶのは、いきなり高いスキルを身に付けるためではなく、その後の長い人生の中で音楽を楽しむための土台をつくることが目的です。そのため、将来的にどんな楽器(歌も含む)を手に取った場合にも役に立つような”基本”を身に付けることが大切です。

西洋音楽における基本はやはりヨーロッパ音楽になります。そのため当スクールでは「ヨーロッパの感覚から外れない」ことを重視して、フレーズ感やリズム感の習得に向けたカリキュラムをお届けしています。この点においては以前にこんなブログ記事を書いていましたので、ぜひそちらもご一読ください。

[nlink url=”https://skyward-music.com/archives/584″]

(3)先生は”現役の演奏家”か

これは特に小学生以上で音楽教室に通う場合に非常に大切なポイントです。

笹森さんの著書においては「先生は演奏してくれているか」「先生に憧れを持てるか」という点をポイントに挙げ、以下のような指摘をしています。

先生が弾けないと、音をきれいに、ミスをしないで、といったレベル以上に、深く掘りさげて指導することはできません。

普段とは違う演奏家としての先生の一面を見て、モチベーションが上がる、といったことがよくあるのです。

どちらも非常に納得できる話です。音楽教室の先生は演奏家であり教育者でもありますが。が、やっぱり音楽教室に通う人は”上手くなりたい”と望んでいるわけですから、その道の最前線にいる「音楽家」に教わりたいというのが自然な欲求でしょう。

当スクールでも設立当初よりこの点は重要なポイントに置いており、ブログの一番最初の記事としても取り上げていました。ぜひそちらもご一読ください。

[nlink url=”https://skyward-music.com/archives/534″]

(4)生徒が”自分の頭で考える”ように導いてくれるか

音楽の一番大切なことは”自分の頭で考えたもの”を表現すること。自分の頭で考えるからこそ(1)の楽しさを得ることができ、どう演奏するかを考えることが、音楽教育に求められる”感性”を鍛えることにつながります。

しかしながら、そのためには特に幼少期の音楽教育においては、実は「すぐに結果を求めない」という姿勢が求められるのが難しいところです。なぜなら、すぐに「結果が見えるもの=自分の考えなくてもできること」であることが多いからです。

少し前にとある保護者の方から「別の音楽教室に通っているお友達が難しいピアノ曲を弾いているのを見て焦りを感じた」といった趣旨のご相談を頂きました。一生懸命ピアノを練習することは素晴らしいことなのですが、難しい曲を楽譜通りに音を並べることにはあまり価値はありません。大事なのはその楽譜から何を感じ取り、どのように表現するかを考えたうえで弾いているのか?ということです。難しい曲(≒音の数が多い楽譜)を前にして、そこまで考えられる子どもはまずいません。小さいころから曲の難易度をどんどん上げていくというトレーニングを積んでいくと、楽譜通りにミスなく演奏することが一番大切なことになってしまい、肝心の「自分で考えて表現する」ことに気が回らなくなります。

一見簡単な曲やフレーズを、様々な角度から繰り返し取り上げることによって様々な視点を養い、そして子どもたちに「この音はどう感じた?」「感じたように弾いて(or歌って)ごらん」と問いかけることによって、じっくり音と向き合うことが非常に重要なのです。

当スクールにおけるそんなスタンスについても、以前にブログに取り上げておりました。

[nlink url=”https://skyward-music.com/archives/538″]

(5)”家庭での練習”までサポートしてくれるか

多くの習い事にも共通することかも知れませんが、音楽教育は教室に来てレッスンを受けること以上に、いかに家庭でのレッスンを重ねるかが重要です。

人間が何かに熟達するには10,000時間の積み重ねが必要といった説もあります。ここで重要なのは習得までに何時間かかるかという話ではありません。スキルを身に付けるには一定時間以上の練習の積み重ねが必要不可欠であるという点です(もちろん練習の質も大切ですが)。

1回あたり1時間前後のレッスンを月に数回重ねるだけでは、その一定ラインに到達するまでの期間が非常に長くかかってしまいます。そこで家庭での練習を重ねることにより、その進度を2倍にも3倍にも高めることが求められるのです。

当スクールでは、毎回のレッスンをビデオに録画して復習教材としてお配りしています。また、例えば幼児コースのカリキュラムには子ども同士で掛け合いをするプログラムを取り入れ、ご家庭では親子で音遊びのような形で復習できるような工夫なども行っています。

ヨーロッパでは、日曜日に親子で教会に通って一緒に讃美歌を歌うという習慣を通じて、自然と親子で一緒に音楽に親しむという土台ができあがるので、そんな環境を作れるのが理想と考えています。

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