ナタリア・コリチェワ来日マスタークラス2019開催報告

ピアノコース主任の石川朋子です。

スカイワードミュージックスクールでは、真のロシアン・ピアニズム(ロシアピアノ演奏法)を広めるべく、チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院・ロシア国立リャードフ記念音楽学校・スラヴ・アカデミー等にて教鞭をとるナタリア・コリチェワ女史を特別講師としてお招きし、2017年より毎年マスタークラスを開催しています。

本年の『ナタリア・コリチェワ来日マスタークラス』も、7月26日に無事終える事が出来ました。少し間が空いてしまいましたが、改めて振り返りをしたいと思います。

前回のマスタークラスは受講者が2人でしたが、今回はなんと6名の受講者の方に参加して頂く事ができました!

こんなに受講者が増えた要因の1つは、関係各所からのご紹介を頂けたこと。特に、私の恩師である柴田美穂先生(エリザベト音楽大学教授)には、昨年までの手応えからより多くの人に参加して欲しいとご相談したところ、生徒さんやお知り合いなど非常にたくさんの方に連絡を取って下さいました。

またもう一つの要因が、スカイワードミュージックスクールで私が教える生徒が、マスタークラスを受けてくれたことにあります。これはマスタークラス開始当初から理想としていた流れでしたが、私の生徒である藤田さんが参加してくれました。

その他、小さな頃からコンクール入賞など果たしロシアのサンクトペテルブルグにも留学された江口さん、一般大学に通いながらもピアノの研鑽を続けていらっしゃる田中さん、広島時代から伴奏者としての信頼が厚く自主公演コンサートも開催している岡本さん、そして広島の期待の星でもある東京藝術大学一年生の板舛さんなど、多くの優秀な方がマスタークラスを受講されました。

今回のコリチェワ先生のマスタークラスではピアノソロだけでなく、アンサンブルのレッスンも受講可能だったのですが、ピアノソロ以外にも歌のピアノ伴奏やフルートとピアノのデュオでレッスンを受講される方もいらっしゃいました。

コリチェワ先生のマスタークラスレッスンの内容について受講者さんから以下のような感想を頂いています。

  • 先生から直接聞いたロシア音楽教育は、日本で受けてるものよりも深い内容であった
  • これまで受けたレッスンよりも、耳を使っている感覚が大きかった。テクニック的な問題がまだまだ大きいが、それと同時に耳を鍛えるように勉強していく必要性をとても感じた
  • リストの作品とはいえ、ポリフォニーをよくよく感じて整理することの重要性に気付かされた
  • これまで指摘されたことのない観点でのアドバイスをたくさん頂くことができた

コリチェワ先生は、高いレベルの演奏をするための音の聞き方や身体のコントロールの仕方などを中心に、受講曲のレッスンにとどまらず、受講生一人一人に必要なエチュードなども具体的に示したり、ロシアで現在実際に行われているピアノ教育の内容などもお話しされているのが印象的でした。

私自身もこれまで日本で様々なマスタークラスを受けてきましたが、基本的には受講曲の内容理解や解釈ならびに奏法のレッスンばかりで、コリチェワ先生のように根本的なソルフェージュ力や基本奏法のほか、今後習得すべきテクニックなど、その人が今後上達するために必要なエッセンスを指摘して頂ける機会は少なかったように思います。これがロシアのピアノ教育では当たり前のレベルということで、こういった鉄壁の土台があるからこそ、国際コンクールでも数々の入賞者を出すなどの成果につながっているのでしょう。

さて、そんなコリチェワ先生のマスタークラスですが、受講者の方は先生のレッスンを受けた後、7月26日に東京の松尾ホールにて修了コンサートを行いました。コンサートでは、前半がマスタークラス受講者の方の修了コンサート、後半がコリチェワ先生と私がソロと2台ピアノを演奏させて頂きました。受講者の方々は、マスタークラスレッスンで得た事、気付いたことをコンサートで実践しようとされているのを感じました。

今年のマスタークラスを開催して改めて思ったのが「人との絆」の重要性です。生徒さん方をご紹介して下さった柴田先生や、そしてコンサート開催にあたって裏方のスタッフとして動いて下さった方々などには本当に感謝するばかりです。

さらに新たな「絆」として、私も今回の受講者の方々との新たな絆を頂き、これがきっかけとなってピアノ勉強会も立ち上げる事になりました!来年のマスタークラスに向けて、私自身もより磨きをかけていかなければならないと気持ちを引き締めるとともに、受講者の皆様の今後の活躍が楽しみでなりません。

今後、この会がより素晴らしいものになるよう、精一杯頑張ります!
ご参加ならびにご支援頂きました皆様、本当にありがとうございました!!

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