すっかり肌寒い季節となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。船橋市のスカイワードミュージックスクールで、幼児音楽コース/ピアノコースを担当する江口莉永(えぐち りえ)です。今月のブログでは、10月に行われたビッグイベント「ショパン国際ピアノコンクール」について、数回に分けてお送りしたいと思います。
ショパンコンクールを聴きに、ポーランドへ
10月初旬から約2週間、5年に一度開催される『ショパン国際ピアノコンクール』。先日わたしは、このショパンコンクールのセミファイナル(全3日間)を聴きに、ポーランドの首都ワルシャワに行ってまいりました!
今回のブログでは、コンクールオフ日に歩いたワルシャワ市内の様子やショパンゆかりのスポットについてお届けします!
ワルシャワに到着したのは、10月12日の夕方18時。乗り継ぎを含め、日本から約14時間の移動でした(わたしにとって3年ぶりの海外渡航で、さすがに疲労が…)。
空港から鉄道で約25分かけてワルシャワ中心部にやってくると、重要なランドマーク・文化科学宮殿がライトアップされていました。
\高さなんと237メートル!迷子になったときのありがたい目印になりました/
ショパンの心臓が眠る、聖十字架教会
翌朝13日(この日はコンクールオフ日)。ホテルで軽く朝食をいただいてから、まずはショパンの心臓が眠っている聖十字架教会へ(訪れたのは朝8時半でしたが、早くからお祈りされている方がバラバラとがいらっしゃいました)。
作曲家・ピアニストとしてパリを中心にヨーロッパのあちこちで名を馳せたショパンですが、彼がいちばんに心から愛していたのは、自分が生まれ育ち、家族とのあたたかな時間を過ごしたポーランドでした。しかし歴史的混乱からポーランドへ帰ることがとうとう叶わなかった彼は、亡くなるときの遺言として「自分の心臓を祖国に帰してほしい」と姉に伝えたそうです。そして実際に、彼の心臓が眠っているのがこちらの柱。
真っ白の柱には、深紅のアンスリウム(ハート形の花)がお供えされていて、まるで彼の心臓が表現されているかのよう。日本のお墓参りではなかなか登場しない赤い花ですが、このあと街中を散歩しながら見かけたいくつかのお墓には、この花が手向けられていました。異文化って面白いですね。
教会のほのかな灯りに包まれ、しばしリラックスしながら彼の生涯に思いを馳せました。
まるでおとぎ話の世界!旧市街ゾーン
聖十字架教会をあとにして、そこから約10分ほど歩くと…、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだかのような街並みに目を見張ります。この区域は、第二次世界大戦でほぼ破壊されてしまったそうですが、昔の建築の趣きを取り戻すべく復元されたそうです。ワルシャワ歴史地区として世界遺産登録されている、石畳のすてきな街並み。
ところで、10月中旬のワルシャワの気温は平均9~11℃ほど。日中は過ごしやすいのですが、夜はかなり寒く3~4℃まで冷え込みます。少し大げさかなと思いながら日本から持ってきた冬用コートで大正解でした。使わないだろうと思っていたマフラー&手袋も持ってきていてよかった…。
そんなわけで、旧市街ゾーンを長時間散歩していると、さすがに寒くなってきたのでカフェで一休み。レモネードで身体を温めました。ポーランドのレストランやカフェに入ると、だいたいどこでも自家製レモネードが用意されているようです。ミントを添えたさっぱりしたもの、ジンジャー&オレンジと合わせてあるものなど、どれもおいしかったです。
ショパン博物館&ワジェンキ公園
午後は、ワルシャワに来たならば絶対に行っておきたかった2つのスポットへ!まずはショパン博物館。たまたまこの日は無料デーだったので混雑を覚悟していましたが、思ったよりも人は少なくゆっくりと時間を過ごせました。控えめに言って、ここに住みたい!と思いました(笑)あらゆる資料や音源がここに集約されていて、ショパンの人間関係だったり活動場所ごとのエピソードが分かりやすく展示されています。ちなみに、博物館のすぐ近くにはショパン音楽大学があって、すぐそばを通りかかると練習している音大生のあらゆる楽器の音が聴こえてきました。
\アーティスティックな外観!/
そして、日が落ちてしまう前に足早に訪れたのは、ショパン像がたたずむワジェンキ公園。物憂げなショパンの瞳は、なにを考えているんだろう。悩んでいるようにも、満足そうにも見えます(なお、このショパン像も、戦争で一度破壊されているため復元されたものだそう)。紅葉の季節もぴったりですが、毎年夏にはここで野外コンサートが楽しまれるそう。憧れます!
もっとショパンに近づきたくなった・・・
本当は、これらのスポット以外にも訪れた場所はいくつかあるのですが、今回はこのあたりで。次回は【コンクール編】をお届けします!
ショパンゆかりのスポットに足を運んで、彼が本当に生きていたんだなということをあらためて実感しました。あくまで物理的にぐぐっと近づいてしまったショパンですが、もっともっと精神的にも近づきたい。作曲家と友達になりたい、彼の音楽をもっと知りたい、読み解きたいという思いが心の奥底から沸き起こってきました。
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