【幼児音楽コース】強弱を表現しよう|びっくりシンフォニー

こんにちは!船橋市のスカイワードミュージックスクールで、幼児音楽コース/ピアノコースを担当する江口莉永(えぐち りえ)です。

幼児音楽コースでは、7/17(土)のスクールコンサートに向けて、ハイドン作曲のびっくりシンフォニー(交響曲第94番『驚愕』)に取り組んでいます。この曲の肝といえば、大音量によるびっくりシーンですが、そんな仕掛けをしたハイドンにはどういう狙いがあったのでしょうか。今日は、この作品に出会う子どもたちが音楽の仕掛けを楽しめるように、作品にまつわるエピソードをものがたり風に紹介してみたいと思います!

目次

いたずら好きの少年から、お城で働く音楽家に。

むかしむかし、音楽といたずらが大好きなハイドンという名前の少年がいました。誰かのびっくりする顔を見るのが何よりの楽しみだった少年は、ある日、聖歌隊で目の前にいた友達の髪の毛を、ハサミでこっそり切ってしまう!ということもありました。いたずら好きで叱られてばかりの彼でしたが、音楽の才能は抜群。のちに、よその国のお金持ちのお城にやとわれ、音楽係として働くようになりました。

彼が書いた音楽は、主人を喜ばせ、お城を訪ねてくる客人も彼の音楽が大好きでした。しかし、あるとき主人が死んでしまい、働く場所を失ってしまったハイドンはどうしたものかと悩んでいました。

そんなとき、ハイドンの才能を噂に聞いた音楽家が、彼をイギリスに呼び寄せました。ハイドンは喜んで海をわたり、初めて出会うロンドンの聴衆に自分の音楽を聴いてもらうのをわくわくしていました。

わたしの音楽を聴いて!

わくわくと胸を躍らせていたハイドンでしたが、これまで彼が働いていたお城の客人と、ロンドンのお客さんの様子は、想像するものとまるで違いました。ハイドンの書いた素晴らしい音楽が鳴っていても、聴衆はぺちゃくちゃおしゃべりをしたり、食事をしたり、居眠りをする人もいました。

「どうにか、自分の音楽を聴いてほしい…」
「マナーの悪い客もびっくりするような曲を書かなくては…」
ハイドンは考えます。ちょっと腹も立てていました。考えに考えた結果、いいアイディアが浮かんできました。

・・・・・

さて、今日は新しい曲をはじめて聴衆に披露する日。穏やかで優しいメロディーが奏でられ、静かな音楽に聴衆はうっとり…?いいえ!聴衆はうっとりするどころか、今日もまたウトウトと居眠りをしています…。

すると突然、大きな音が「ドンッ!」と会場を揺らしました。オーケストラが、メンバー全員で一斉にffの大きな音を鳴らしたのです。観客はみんなして目を覚まし、飛び上がりました。

観客たちがお互い顔を見合わせて困惑しているのを見ながら、ハイドンは「ようやくロンドンの聴衆が、わたしの作品にびっくりしたな」と大喜び。彼の根っからのいたずら心が働いたのです。

大音量の仕掛けによって聴衆を驚かせたこの作品は、『驚愕』や『びっくりシンフォニー』と呼ばれ、作品が生まれて200年以上たった現在でも、多くの人に愛されています。

ハイドン作曲『びっくりシンフォニー』

今回は、スクールコンサートに向けてハイドンの『びっくりシンフォニー』を解説してみました。難しいイメージかもしれないクラシック作品ですが、少しでもとっつきやすさを感じてもらえるとうれしいです。

本番がいよいよ迫ってきましたね!今度はみんなで聴衆をびっくりさせましょう!

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