こんにちは!船橋市のスカイワードミュージックスクールで、幼児音楽コース/ピアノコースを担当する江口莉永(えぐち りえ)です。今日は、幼児音楽コースのピアノ導入メニューとして取り組んでいる、ふわふわピアノをご紹介させていただきます。
ピアノの前に初めて子どもを座らせると、いちばんに関心が向くのは「音を鳴らすこと」ではないしょうか。指一本で恐る恐る鳴らしてみる子もいれば、手の平やグーで鍵盤を押してみたり、叩いてみたり、色んな音や和音を純粋に楽しむ様子がうかがえます。
楽器との触れ合いは、気負いすることなく先入観を抱くことなく、どんどんチャレンジしてみてほしいです!とはいえ、音を鳴らすことに一生懸命になると、ピアノを演奏するためのふさわしいフォームがなかなか習得できません。
ふわふわピアノで指練習
当スクールでは、小さな身体に負担がかかったり、直すのに苦労するような癖がついてしまう前に、このような手作りの教材「ふわふわ指練習キット」を使っています。ピアノ主任講師の石川朋子先生の力作です!
ゆるく孤を描く紙枠に、指番号とふわふわしたスポンジを5つ貼り付けています。この紙枠に向かって、だらっと手を下ろしてみると、このように丸い手のフォームが紙枠に収まります。
使い方としては、「1・1・1・1」「1・2・1・2」とまずはゆっくり拍を取りながら、それぞれの指を順番にスポンジに沈みこませます。身体が柔軟な子の場合、「4・5」の動きも注意深く観察しながら動かそうとしてくれます。
これにより、演奏に適したフォームを学べるだけでなく、指の重さによってスポンジを沈ませる感覚を覚えてくれたり、触覚への刺激にもなります。このキット教材を使い始めると同時に、指番号も覚えさせてしまうのもいいですね。
気を付けておくべきなのは、345指(中指、薬指、小指)の場合、神経の都合上ばらばらに動かしにくいので、力んで手のフォームが崩れたり、無理に指を押し込もうとしてしまうことがあります。そんなときは、一旦完全に脱力させてから手のフォームを見直し、あらためてゆっくり練習するのがいいですね。
力が不自然に入った形
やはり、いきなりピアノに向かってしまうと、一本一本の指を鍵盤に押し込んだり、345指がばらばらと別の方向を向いてしまったり……という良くない形が起こりがちです。しかし、こういった遊びを行うことで、身体の力みから徐々に解放されていきます。
楽器を弾く身体を、やわらかく
わたし自身ピアノを習い始めたころは、知っているメロディーをとりあえず鳴らしてみたくて、鍵盤に向かうたび、タッチもフォームも指使いもめちゃくちゃながら楽しんで弾いていました(笑)
ですが現在は、演奏に適した自然なフォームに慣れていくことで、選択肢が広がり、たった1音が鳴る瞬間でさえも音楽的な深い意味づけができるという可能性を感じています。とても根気のいる作業ではあるものの、音色のパレットが充実していく感覚を子どもたちにも味わってみてほしいなと思っています!
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