音楽の習い事に焦りは禁物!

スカイワードミュージックスクールでは、幼児音楽教育コースを設けておりますが、趣味にしろそれ以上のレベルにしろ、将来的に音楽を楽しむ可能性があるのであれば、必ず幼児期に音楽の専門教育を受けていた方が良いと考えています。

目次

日本の幼児音楽教育はすぐに結果を求めすぎる

今の日本の幼児音楽教育においては、大手音楽教室を中心に「成長が分かりやすく見える」ようなシステムが最重視されているように見受けられます。子ども達に限らず、何か達成感を得られて褒められ認められるという事は、上達への大きなモチベーションになりますし、保護者の方々も褒めるポイントが分かりやすく成長がすぐにわかるので嬉しいという事もあるでしょう。

しかし、私たちが考える幼児期の音楽教育の一番最重視している目的は『音楽の種を植える』ことであり、感受性豊かなこの時期に様々な音楽の体験をし、様々な音楽の素材を出来るだけ「楽しむ」ことが最も大切な事だと考えています。

数々の音楽家を生み出すヨーロッパの幼児音楽教育においても、音楽が単純なものではない事を皆が理解しているからこそ、沢山の音楽に触れさせて体感させることに重点を置いています。「すぐに結果を求めない」ところが日本と大きく違います。

音楽の上達が目に見えづらい理由

そもそも音楽を演奏するとはどういう事でしょうか?
それは歌や楽器などで「音楽を表現し、伝える」という事です。

そのためには、以下の項目を音楽の3要素(リズム・メロディ・ハーモニー)に照らし合わせながらクリアしていく事が必要です。

・音楽をよく理解する事
・音楽をよく感じる事
・楽器をよく知る事
・良い音を出す事
・身体をコントロールする事
・音楽をストーリーのように組み立てる事
・よく歌い、感じて演奏する事
・客観的に出来てるかどうか判断出来る事 等

音楽は、以上の事が絡み合いながららせん状に少しずつ出来てくるものだからこそ、上達が見えづらいものなのです。よって音楽を専門的に学んだ人間でなくては、その進度と重要性いうものはなかなか分からないかも知れません。

上達の進度や才能の有無は専門家だからこそ分かる

私(ピアノコース講師:石川)の話を少ししましょう。

私は幼少期から音楽教育を受け、小学校に上がる頃にピアノの個人レッスンを受け始めました。その後、小学校6年生の時にピアノの先生に「音楽の道に進まないか?」と言われたのがきっかけでプロの道を目指すようになりました。

ここまで聞いただけでは、小学生の頃からさぞかしピアノが上手かった神童だったのでは?と思われるかも知れませんが、母の話では「小学校1〜5年生の頃はピアノはとても下手で、まさかプロピアニストになるなんて思ってもいなかった」そうです(汗)

実際、私自身の記憶でも、小学校1〜5年生の頃は半ば義務的に練習をしてただ課題をこなし、コンクールに出場しても箸にも棒にもかからずという状態で達成感はほとんどありませんでした。しかし、小学校6年生になったくらいで「あ、ピアノって楽しいかも」と思い始め、ちょうどそれと同じくらいの時に先生に音楽の道を進言されました。

もし母が下手と感じて才能が無いと判断してピアノを辞めさせていたらピアニストの私は存在しなかったわけですが、先生には私の上達や才能が見えていたからこそ、うまく私のことを導いて下さったのだと思います。

このように、音楽の積み上げの段階に才能の有無や上達の進度などを専門外の人が判断するのは非常に危険なのです。保護者の皆さんには上達が見られないと心配になるかも知れませんが、コップに音楽という水を注いで満タンにして次第にこぼれ出てくるのを待つのを是非待ってあげて下さい。

逆に、音楽が専門では無い方が見てもはっきりと上達が見られるような教育を受けて来た子どもたちは、後々大きな弊害が出ています。音楽を演奏する目的である「音楽を表現し、伝える」ためのスキルが欠落した演奏をしても、なにも気にならない耳と感性を持ってしまい、その後の成長で必ずつまずくことになります。

焦らずに音楽を楽しみましょう!

音楽を身につけるには、原石からダイヤモンドを取り出し磨くように「地道な努力を続ける」必要があります。

地道な努力に耐える事は、いきなり楽器を始めると苦しく感じますが、幼児期に基礎教育を受けている事で、その作業さえも「楽しい」と感じられるような幼児クラスのレッスンを目標に行っています。

なので、小さなお子さんが今「何が出来るか、何が出来るようになったか」だけを見るのではなく、沢山音楽で楽しい事を経験している事を「楽しいね!」と共感する心を大切にして頂き、是非温かい目で見守って頂ければ幸いです。

その事が長い目で見た時に、本当に音楽表現が出来る演奏を目指せる基本となり、人間的にも細やかな心を育てる事に繋がります。

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