こんにちは!船橋市のスカイワードミュージックスクールで、幼児音楽コース/ピアノコースを担当する江口莉永(えぐち りえ)です。
今日のテーマは、バロックダンスのひとつ「メヌエット」について。
現在ピアノコースでは、メヌエットを勉強している生徒さんも多いため、そもそもどんな音楽なんだろう?という疑問をちょっぴり紐解いてみたいと思います。
幅広い時代にわたって書かれたメヌエット
メヌエット(独: Menuett メヌエット/伊: minuetto ミヌエット/英: minuet ミヌエット/仏: menuet ムニュエ)といえば、ペッツォールト作曲のト長調がいちばんに思い当たるかもしれませんが、実はあらゆる作曲家によって、たくさんのメヌエットが書かれています。
もともとメヌエットは、民族舞踏として庶民の間で踊られていましたが、流行に敏感な貴族たちにも広まり、1650年頃から宮廷でも踊られるようになったそうです。
メヌエットと同じく、3拍子の舞曲として「ワルツ」も有名ですが、テンポや雰囲気、踊りが誕生した時代などがそれぞれ異なります。たとえば、ほとんどのワルツが速いテンポなのに対して、メヌエットは少しゆったりとした足取り。また、6拍でひとつのまとまりとして踊られるので、メヌエットを楽器で演奏するときも2小節フレーズを意識して弾けるといいでしょう。
小さなステップは猫のイメージ?
メヌエットという名前は、「小さい」を意味する「ミニ」から派生した言葉。宮廷では、着飾った貴族たちが派手な帽子やかつらを落としたり、ドレスの裾を踏んづけたりしないよう注意を払いながら、小さな動作で踊っていました。そのような様子から、小さなステップで踊ることを意味した「ミニ」がつけられたようです。
ところで、同じ名前で「ミヌエット」という猫種がいます。やはりこちらも、「小さい(ミニ)」に由来しているそうなのですが、短めの手足で繰り出される、ひょこひょこした動きに、かつて宮廷で踊られたメヌエットの雰囲気がどことなく感じられます。決して豪快なステップでなく、貴族たちの優雅な足取り…ご想像いただけたでしょうか?
今回、メヌエットをピックアップするにあたって、色んなメヌエット作品をリサーチしたところ、ピアノ作品から歌劇や交響曲、バレエまで、想像以上に多くのメヌエットが書かれているという発見がありました!今後もさまざまなメヌエットをご紹介していきたいです。皆さんも、お気に入りのメヌエットを見つけてみてください。
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