こんにちは。船橋の総合音楽スクールで主任ピアノ講師を務めるピアニストの石川朋子です。
今日は、先日のレッスンでの一コマから。
聴こえる段階
先日来られた生徒さんのお悩みは、「家でピアノを練習していても、自分の音が聴こえる時と聴こえない時がある」という事でした。
そこで、自分の音が聴こえるという事には以下の通り段階がある事をお伝えしました。
第1段階・・・自分の音を聴こえてるか聴こえていないかという意識がない、または聴いてる「つもり」、勘違いしている状態(主観的な耳のみ)
第2段階・・・自分で音が聴こえていないと気付いている状態(主観的な耳に客観的な耳の要素が入る)
第3段階・・・自分の音が聴こえている状態(主観的でありながら、客観的な耳をしっかり持っている)
第4段階・・・自分の音が聴こえ修正出来る状態(超主観的でありつつ、超客観的でかつ身体をコントロール出来る)
そして、現在生徒さんは第2段階~第3段階の途中にいらっしゃる事をお伝えし、第3段階に辿り着く為の具体的な練習方法をお伝えしました。
自分の音が聴こえない原因と解決法
実は「自分の音を聴く」というのは、そんな簡単な話ではありません。
何故なら自分自身が問題を抱えていると、すぐそちらに意識が行ってしまうからです。
例えば、以下のような問題等が起こりえます。
・音やリズム、指使い、場所移動などがあやふや、探そうとする意識が働き、聴くどころではない
・間違った音等を弾くと、罪悪感や焦り等から身体に緊張が走り、結果聴こえなくなる
・曲への思いだけが強く具体的なイメージがないと、強張ったまま弾いてしまい、聴こえていない事に気づかない
従って、自分の音を聴こえる状態にするには、それらの問題をまずは解決しなければなりません。
その時に必要な練習方法が、
抱えている問題を
誰でも出来るような簡単でシンプルな長さや音数にし、
何に気を付けるのかイメージをはっきり持って、
自分の音が聴こえるテンポで弾く
というものです。
例えば、指使いがあやふやな箇所がある場合、簡単にそこの「言葉だけ」抜き出し、弾く前に指使いと手の動きをしっかりイメージでして、ピアノの鍵盤への準備をしてから弾きますが、イメージした通りになったか自分の耳で確認できるテンポで(ゆっくりになるのが普通)弾きます。
両手が難しければ片手だけ、その後両手で合わせる時も、まずはもう片方の音を歌って弾く、一つの音だけ一緒に弾くなど全てシンプルで簡単な所から始めます。
その時、弾く前に「何に気を付けて弾くのか」のはっきりしたイメージなしに弾くと、脳からの指令があやふやになり、成功したり、成功しなかったりの現象が起こりますので、必ず弾く前のイメージやピアノの鍵盤への準備を徹底する必要があります。
経験の浅い方程まだ手に入っていない曲を全体を通すばかりで、「弾けない弾けない!」となってしまう場合が多く見られますが、これは問題だらけで脳がパンクしてる状態なので、弾けなくて当たり前なんです!
問題を極限までシンプル且つ簡単な状態にすると、自分の音を聴く「余裕」が生まれ、それを積み重ねる事で情報量が多くとも聴こえるようになってくる、というワケです。
因みに一流の人ほど、そんな細部の練習をしているものなので真似をしない手はありませんよね!
客観的に聴こえているかをいつもチェックしよう!
お家で練習している時、レッスンの時、本番の時等、いつもいつも自分の音を聴くことは最も大切な事です。
何故なら音楽は、「聴くもの」だから。
自分で客観的に聴こえて初めて聴こえていると言えます。
因みに常にどんな曲でも第4段階で聴こえる人は、本当に限られた天才のみ。
自分は「聴こえていないかもしれない」といつも考えている方が、より早い上達に結びつきます。
シンプルイズベスト!
私も日々精進です!一緒に頑張りましょう!!
今日も素敵なピアノライフを!!
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