千葉県船橋市に拠点を構えるスカイワードミュージックスクール。私たちのスクールでは「失敗はデータを取るために最高の素材」という考え方を徹底させレッスンにも生かしています。
音楽は原則、失敗のない(完璧な演奏)は存在しません。だからこそ、失敗から多くのデータを取るべきでしょう。これは余談になりますが、最近は音楽的な内容での勝負を避けて、平坦でもミスのない演奏が是とされているのも大きな問題ではないかというのが個人的な感触。
さて、そんな私も演奏で失敗することは多々あります。あくまでも私個人の事例ではありますが、失敗するときはだいたい法則性があるのです。自分が失敗する時の法則をつかんでおくのは、音楽家としてとても大事なことなので、恥を忍んで私が失敗する時の法則をご紹介します。
①疲れている、睡眠不足
②本番前の集中するための時間(一人で誰とも会話をしない時間)が持てない
③演奏前のルーティーンワークができていない
④情報不足
といったあたり。「そりゃ、失敗して当たり前だろ」と思われるかも知れませんが、実際はすべての条件をクリアしていることはなかなか無いのが現実だったりします。
疲れている、睡眠不足
これは社会生活をしていると仕方がない部分もありますが、自分の体力の限界を知る必要があります。私の場合、10日間休みが無いと体力が著しく落ちることが分かっています。
そしてこれも余談ながら、休みの次の日は著しく調子が悪く、休みの2日後は好調な場合が多いということも分かっています。
本番前の集中するための時間(一人で誰とも会話をしない時間)が持てない
これはきちんと楽屋があるホールなどであれば心配ないのですが、カフェなどに招かれての演奏の場合だと難しいことも多いのが実情です。主催者側がよかれと思って話しかけてきてくれることも多いのですが「集中するために放っておいてくれ」というのが本音だったり…(なかなかそうは言えないのですが)
演奏前のルーティーンワークができていない
実はルーティンワークの必要性はその奏者個人の性質による部分も大きく、端的に言えばルーティンワークが必要ない人と、ルーティンワークが絶対に必要な人の2種類の人種がいるのです。私は後者。
前者はステージに出た瞬間、自分に緊張する暇を与えずに間髪入れずに演奏した方が精神的に安定するタイプ。このタイプの人にルーティーンワークを実践させるとおかしな事になる。考えなくてもいい事を考え緊張が「人前で上がる」という結果になる。このタイプの人はステージに小走りに行き、挨拶もそっちのけ、楽器だけを見て演奏するのが最善と言えます。
後者は、ステージ上で緊張から自律神経が乱れて血圧があがり、さらには手が震えて周りが見えなくなるタイプ。このタイプはステージ上で様々なルーティーンワークが必要になります。
まずは乱れた自律神経を常時に近い所まで安定させる必要がある。そして、血圧が下がったのちに、目が見えているかなど、体の機能のチェックを確実にこなし自分を取り戻してから演奏に入るほうが良い結果が出るのです。
私見では前者は普段から心拍数が低く冷静な人が多い。後者は神経質でせっかちな人が多い。
日本人の8割は後者に当てはまるのでは?これには学校教育も大きく影響していると思うのですが、「MUST」を求められる機会が多い日本社会では、制約が多くそれが義務感となって「間違いを恐れすぎる」という結果を生んでいるように思います。
情報不足
これは敗者が必ず陥っている事態。会場の響き方や予期せぬ客層の来場といった情報不足に起因する予測外の自体が続くと、それに対応しているうちに全ての修正が出来ず失敗に陥る。
これが、今までにありとあらゆる失敗をして得たデータ(本当はセクションごとにもっと細かくあり、全部書くと本を書ける量になるかも)。つまり、この細かな作業を積みあげて演奏に向かわなければ良い演奏は出来ないのである。恐らくピアノ等の多声楽器は特に同じはず。
高度な演奏を目指す場合は、きちんとデータを分析したうえで準備をしなければいけません。あなたは自分の演奏が失敗してしまう時の法則性を理解していますか?
スカイワードミュージックスクールでは、メンタルのトレーニング法も確立して訓練を実施しています。ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください!
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