今日は珍しいギターの仲間「ラウテ」をご紹介します。
19世紀の終わりから20世紀の初頭にかけて、ドイツでルネッサンス・バロック復興が起こりました。
その際、ルネッサンスリュート、バロックリュートを模して製作された楽器がラウテです。
マンドーラやリュートギターの呼び名もあります。
現在では製作する人は、ほとんどいません。当時はヘルマン・ハウザーⅠ世も製作していました。
楽器としての本質は6弦のシングルリュート(通常リュートはコースといって複弦)です。調弦もギターと全く同じで、E、A、D、G、B、E。ナイロンが開発されたのが1930年、ナイロン弦は1954年に開発されていますから、当時はガット(羊腸)弦で演奏されていたのでしょう。
19世紀にシューベルトはギターとチェロを合わせて6弦の擦弦楽器、アルペジオーネを開発しました。
時代背景的にいうと、あらゆるものが産業革命と共に発展していく時代です。ピアノも開発当初の形から大きく変わり、フレームに金属を使い大音量の楽器へ変貌を遂げていきます。
その混沌とした時代背景の中で一方は金属も取り込み大音量へ、もう一方はルネッサンス・バロックへの回帰。同じ時代であらゆるアプローチを試みているのは、あたかも恐竜が様々な形に進化し、生物としての正解を探しているかのようでとても面白いですね。
ひょんなことからこのラウテを譲っていただけることになったので、今度幼児コースの子どもたちにも見せてみようかなと思っています。
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